今年行きたい展覧会2023-関西を中心に-

タイトルの通り、今年行きたい展覧会を現時点で発表されているもので 関西を中心に調べて並べてみました。あれこれ考えるだけでワクワクしてきますね。下記のリストは自分用の備忘録のようなものです。よかったら参考にどうぞ。

後半は「行けないけど興味のある展覧会」をリスト化しています。やはり東京方面、おもしろそうな展示が目白押しですね!どこでもドアがあれば行けるのに!!

サイトやこの雑誌も参考にして調べました。美術展ハンドブックが便利です。

展覧会リスト (会期始まりの早い順)

※【会期】【開催館】「展覧会タイトル」(巡回があればその開催都市)の順で記載しています

〜1/22 奈良国立博物館「春日大社 若宮国宝展―祈りの王朝文化―」

~2/5 京都国立博物館 名品ギャラリー「十二天屏風の世界」

~2/5 京都国立博物館 名品ギャラリー「京を描く―洛中洛外図屏風―」

~2/12 京都市京セラ美術館「アンディ・ウォーホル・キョウト/ANDY WARHOL KYOTO」

~2/12 佐川美術館「特別企画展 あけてみよう かがくのとびら展」

〜3/13 春日大社国宝殿「杉本博司―春日神霊の御生御蓋山そして江之浦」

1/21〜4/2 大阪中之島美術館「大阪の日本画」(巡回展:東京)

2/7~3/5 京都国立博物館 名品ギャラリー「京都の狩野派―狩野山楽―」 

2/17~3/26 美術館「えき」KYOTO「ミュシャ展 マルチ・アーティストの先駆者」 

2/3~3/28 パラミタミュージアム「川瀬巴水―旅と郷愁の風景―」

3/18〜5/28 大阪市立自然史博物館「特別展 毒」(巡回展:東京)

3/25〜5/21 京都国立博物館「親鸞 生涯と名宝」

4/16〜6/11 京都市京セラ美術館「マリー・ローランサンとモード」(巡回展:東京、名古屋)

前期4/22〜5/21後期5/23〜6/18 あべのハルカス美術館「幕末土佐の天才絵師 絵金」

4/22〜6/25 京都文化博物館「大名茶人 織田有楽斎展」

6/10〜7/17 泉屋博古館「歌と物語の絵ー雅やかなやまと絵の世界」

6/27〜9/24 京都市京セラ美術館「ルーブル美術館展 愛を描く」(巡回展:東京)

7/8〜9/3 奈良国立博物館「聖地 南山城―奈良と京都を結ぶ祈りの至宝―」

1期9/10〜11/12・2期11/19〜24/1/28 相国寺承天閣美術館「若冲と応挙」

10/7〜12/3 大阪中之島美術館「生誕270年 長沢芦雪」

10/7〜12/3 京都国立博物館「東福寺」(巡回展:東京)

10/26〜24/1/14 大阪中之島美術館「テート美術館展 光―ターナー、印象派から現代へ」(巡回展:東京)

★注目しているのは、大阪中之島美術館「大阪の日本画」展、あべのハルカス美術館「幕末土佐の天才絵師 絵金」展、大阪中之島美術館「生誕270年 長沢芦雪」展。
大阪中之島美術館の比率が高いですが、昨年オープンしてからまだ訪れたことがありません。そういう意味でも興味津々です。

行けないけど興味のある展覧会 (会期始まりの早い順)

〜1/29 神戸ファッション美術館「祝祭の景色 世界の結婚式」

〜1/31 丸紅ギャラリー「ボッティチェリ特別展《美しきシモネッタ》」

〜3/22 岐阜現代美術館「篠田桃紅 屏風」

〜3/26 出光美術館「江戸絵画の華」

〜4/2 日本民藝館「生誕100年 柚木沙弥郎展」

〜5/28 東京都現代美術館「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」

〜6/4 岡田美術館「若冲と一村―時を越えてつながる―」

3/11〜5/7 府中市美術館「春の江戸絵画まつり 江戸絵画お絵かき教室」

3/18〜4/16 板橋区立美術館「椿椿山展 軽妙淡麗な色彩と筆あと」

3/18〜5/21 富山県美術館「生誕120年 棟方志功展 メイキング・オブ・ムナカタ」(巡回:青森、東京)

3/21〜6/11 国立工芸館「ポケモン×工芸展」

4/15〜5/28 徳川美術館「大蒔絵展ー漆と金の千年物語」

4/27〜8/20 東京都美術館「マティス展 Henri Matisse : The Path to Color」

6/3〜7/23 泉屋博古館東京「木島櫻谷―山水夢中」

7/15〜8/20 根津美術館「物語る絵画」

9/20〜12/11 国立新美術館「イブ・サンローラン展」

10/7〜12/17 パナソニック汐留美術館「コスチュームジュエリー 美の変革者たち シャネル、スキャパレッリ、ディオール 小瀧千佐子コレクションより」

10/11〜12/3 東京国立博物館「やまと絵―受け継がれる王朝の美―」

12/9〜24/3/3 アーティゾン美術館「マリー・ローランサン ―時代を写す眼」

★東京都現代美術館「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ」展は既に予約がいっぱいで人気のようですね!自分自身は着飾るのが下手ですが昔から服飾には興味があります。「イブ・サンローラン展」もありますし、大手メゾンの展覧会は夢と憧れが詰まっています。

他にも面白そうな展覧会がたくさんありますが、東京遠征はできないので、他の方のレポなど見て雰囲気だけでも楽しみたいと思います。

(読んでいただきありがとうございます。誤植などありましたらぜひお知らせください)

【2020年展覧会感想】泉屋博古館「瑞獣伝来」展

【美術館HP】 

【会期】9/12(土)~10/18(日) 
※会期終了

概要

(ずいぶん前に見てきた展覧会です。いろいろ思い出しながら書いています。)
タイトルにある「瑞獣」とは、「吉祥をもたらすとされた空想の動物たち」のことを言います。(展覧会図録)そのうち東アジアで親しまれてきた龍・鳳凰・虎に焦点を当てて、その変遷の歴史を追っていく展覧会でした。

もともと個人で龍の歴史に関する文章、しかも人に読んでもらうための文章を書いていたこともあり、絶対に来ようと思っていました。その文章を書くまでにこの展示を見たかったくらいです。滅多に買わない図録も今回購入しました。最初の山本尭氏「総論 瑞獣探源―東アジアにおける系譜と起源―」で、すごくわかりやすく情報がまとまっていると思いました。

龍は古代中国の青銅器から画像石、鏡、金具の文様などからその意匠が見られました。青銅器から始まるのは、さすが泉屋博古館です。時代が下るにつれ、私が見慣れた姿になっていきます。南宋の水墨画からは思い描く龍の姿をしていたので、日本の龍の姿のベースになっていると思います。

今回の見所の一つ、建仁寺大方丈礼の間の雲龍図は海北友松の代表作、見事な襖絵です。大きい作品で会場の中での存在感がすごかったです。筆に迷いがなく龍の表情も引き締まっていて、こちらに緊張感を与えてきます。これが桃山時代の勢いでしょうか?江戸時代になると顔の表情もしょんぼりして情けない感じの龍が少なからずいます。比べてみると面白いですよ!

虎もやはり青銅器から追っていきます。そこはここの館の強みですね。日本では本物の虎を見ることができず、伝わってくる虎の絵画(特に南宋の画僧・牧谿の虎)と猫のしぐさのハイブリット型で描かれたものが多いような気がします。それがまたユーモラスで可愛いらしさも生んでいると思います。

応挙の「虎図」はのっぺりとした従来の虎とは異なり、一歩踏み込んで、より質感を大事にしながら絵としてきれいに収まるように書かれている気がしました。キャプションで「機知に富む都会的瑞獣図」と評されていたのが的を射ているなと思いました。

最後に展示されていた木島櫻谷の「写生帳」の虎がもう、動物園の虎そのもので(当たり前)、やはり瑞獣として描かれる虎と実際とでは違うことを感じました。「瑞獣」たらしめる何かが作者によって入れられているのだと思います。

鳳凰

チラシなどのヴィジュアルに友松の龍とともに出ているのが、伝辺文進「百鳥図」の鳳凰です。展示室でもちょうど友松の雲龍図の真向かいに展示されていて、“対バン”しているような状態でした。とても大きなサイズの作品なので龍に負けていません。周りを囲む鳥たちが平和な空間を作り上げています。ゆったりと見ていられる作品でした。
この作品と相国寺所蔵の林良「鳳凰石竹図」は若冲の鳳凰とも似ており、私が興奮したのは言うまでもありません!若冲が模写したかもしれない作品を自分も見ていることに感激しました。

まとめ

今回は「もう少し見たかった!」と思える展覧会でした。ただ、ここの企画展示室がそれほど大きくないのが悔やまれます。それぞれの項目でもっと作品を集めて見てみたいと思いました。
展覧会は終わってしまったけれど、京都には禅寺の天井画があります。そこでいつでも龍が見られます。「そうだ 京都、行こう。」の特集で各所紹介されています。展覧会の続きはお寺へ!

企画展示室から中庭を望む 芝生が美しい

常設展 中国青銅器の時代

以前来た時にも見ましたが、久しぶりだったので寄ってみました。やはりボリュームがすごいです。
私は学生のとき、奈良国立博物館の青銅器コレクションが初めての青銅器だったのですが、東洋古代史の授業の一環で鑑賞し基礎を学びました。ここのコレクションはレベルが違います。虎卣(こゆう)・鴟鴞卣(しきょうゆう)といった可愛らしい青銅器も多いので、お気に入りを見つけるような気持ちで覗いてみるといいと思います。

余談

上の写真で見えているロビーでお茶(温・冷)のサービスがあります。特に暑い時期だとありがたいですね!
椅子も用意されていて休憩できるようになっています。のんびりと美しい芝生を眺めているのもいいものですね。

今年行きたい展覧会2021―関西を中心に―

京都国立博物館 明治古都館

2021年1月ももう下旬ですが、今年個人的に行きたい展覧会をリストアップしていきます。

来年度の情報がまだ出ていないところも多いので、わかる分をひとまず挙げています。余裕があれば追加情報も載せた改訂版を出すかもしれません。

私が行ける範囲ということで関西が中心ですが、他の地域で気になる展覧会も載せています。(今年もあまり自由に行き来できる状況ではないのでなかなか厳しいなあと思っていますが)

2021年行きたい展覧会 

※関西以外は青字で記しています。
(巡回)は必ずしも該当の館から巡回スタートではありません。全国の巡回は割愛します。ご了承ください。

大阪市立東洋陶磁美術館
黒田泰藏 
2020年11月21日~2021年7月25日

細見美術館
特別展 日本の色-吉岡幸雄の仕事と収集- 
1月5日~4月11日

大和文華館特別企画展 
大人の嗜 立花・鉄砲・古画鑑賞 
1月6日~2月14日

三重県立美術館
SHOCK OF DALI-サルバドール・ダリと日本の前衛- 
1月9日~3月28日

奈良県立美術館
広重の名所江戸百景 併催:新収蔵品・新寄託品を中心に 
1月16日~3月14日

兵庫県立歴史博物館
絵そらごとの楽しみ ― 江戸時代の絵画から ―
1月30日~3月21日

あべのハルカス美術館
リヒテンシュタイン侯爵家の至宝展
1月30日〜3月28日

国立工芸館(東京国立近代美術館工芸館)
うちにこんなのあったら展 気になるデザイン×工芸コレクション
1月30日~4月15日

中之島香雪美術館
特別展 源氏物語の絵画-伝土佐光信の源氏絵をめぐって- 
1月30日~3月14日

嵯峨嵐山文華館
絵でよむ百人一首と源氏物語 
前期1月30日~3月1日 後期3月3日~4月11日

福田美術館
栖鳳の時代-匂いまで描く- 
1月30日~4月11日

神戸ファッション美術館
こわくて、たのしい スイスの絵本展-クライドルフ、フィッシャー、ホフマンの世界 
1月30日~3月28日

三井記念美術館
特別展 小村雪岱スタイル-江戸の粋から東京モダンへ
2月6日〜4月18日

美術館「えき」KYOTO
ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター
2月13日〜3月28日

グランフロント北館ナレッジキャピタル イベントラボ
びじゅチューン!EXPO~ときめき立体ミュージアム~
3月10日~4月11日

MIHO MUSEUM
特別展 MIHO MUSEUMの現代美術 
3月13日~6月13日

府中市美術館
与謝蕪村 「ぎこちない」を芸術にした画家
3月13日〜5月9日

東京都現代美術館
ライゾマティクス_マルティプレックス
3月20日~6月20日

SOMPO美術館
生誕150年記念 モンドリアン展 純粋な絵画をもとめて
3月23日〜6月6日

大阪市立美術館
特別展 豊臣の美術 
4月3日~5月16日

あべのハルカス美術館
グランマ・モーゼス展
4月17日〜6月27日

静岡市美術館(巡回)
キューガーデン 英国王室が愛した花々
4月17日〜6月6日

奈良国立博物館
聖徳太子1400年遠忌記念特別展 聖徳太子と法隆寺 
4月27日~6月20日

岡崎市美術博物館(巡回) 
渡辺省亭 欧米を魅了した花鳥画 
5月29日~7月11日

三菱一号館美術館
三菱の至宝展
6月30日~9月12日

大阪歴史博物館(巡回)
あやしい絵
7月3日 ~ 8月15日

あべのハルカス美術館
ポーラ美術館コレクション展
7月9日〜9月5日

サントリー美術館
開館60周年記念展 ざわつく日本美術(仮称) 
7月14日~8月29日

京都市京セラ美術館
上村松園
7月17日〜9月12日

嵯峨嵐山文華館
くらべてわかる江戸絵画
7月17日〜10月11日

大阪市立美術館(巡回)
千四百年御聖忌記念特別展 聖徳太子
9月4日〜10月24日

泉屋博古館
企画展 木島櫻谷 四季の金屏風と京都画壇 
9月11日~10月24日

国立新美術館
マティス 自由なフォルム
9月15日~12月13日

MIHO MUSEUM(巡回)
特別展 ミネアポリス美術館 日本絵画の名品 
9月18日~12月12日

アサヒビール大山崎山荘美術館(巡回)
和巧絶佳展 -令和時代の超工芸
9月18日~12月5日

SOMPO美術館
川瀬巴水展(仮称)
10月2日〜12月26日

2022年の分も…

奈良国立博物館(巡回)
国宝 聖林寺十一面観音-三輪山信仰のみほとけ- 
2022年2月5日~3月27日

京都国立博物館(巡回)
特別展 最澄と天台宗のすべて 
2022年4月12日~5月22日

個人的に熱い展覧会

◎楽しみにしているのは、

・大阪歴史博物館「あやしい絵」7月3日 ~ 8月15日
絶対面白いという謎の自信があります!

・グランフロント北館ナレッジキャピタル イベントラボ「びじゅチューン!EXPO~ときめき立体ミュージアム~」3月10日~4月11日
普段から番組(歌・映像)を見ていて好きだから。展示は初めてでグッズも楽しみです。今からYoutubeで家族にも布教しています。

〇近代京都画壇の画家について興味が出てきたのでその系統の展覧会は外したくないと思っています。
・福田美術館「栖鳳の時代-匂いまで描く-」1月30日~4月11日
・京都市京セラ美術館「上村松園」7月17日〜9月12日
・泉屋博古館「企画展 木島櫻谷 四季の金屏風と京都画壇」9月11日~10月24日

〇岡崎市美術博物館「渡辺省亭」展、関西に巡回してくれないのが悲しい限り…近年注目を集めている絵師です。(皆さん次のブームを作るのに必死ですね)展覧会でちょこちょこ見るようになりましたが、まとまった作品を見たいです!!

ついでに、今年の目標

今年も無理せず、充実した美術鑑賞ライフを送りたいと思います!
そしてできるだけ(早く)記録に残して多くの方と共有したいです!

2020年の展覧会ベスト5

ごあいさつ

明けましておめでとうございます。

さて、今年の目標などの前に、昨年見てきた展覧会の総括をしたいと思います。昨年末、Twitterの方では #2020年の展覧会トップ3 というタグで既に発表しましたが、記事にするには年内に間に合わず…この記事ではベスト3を選んだ理由、おまけで4位・5位の発表も含めて記していこうと思います。

第1位 「飄々表具」細見美術館

一部の展示は写真撮影可でした 那智の滝、実は写真です
こちらはまだ記事にできていません…

京都市京セラ美術館で杉本博司「瑠璃の浄土」の展覧会が開催されていた同時期にやっていた展覧会です。「瑠璃の浄土」も同じ日に見に行ったのですが、宗教的な空間というのがどうもしっくりこなくて、その直後に見たのでこちらの展示が健やかで、楽しく見えたのかもしれません。

杉本博司の存在を知ったのは学生時代の頃。指導教授から「今最も稼いでいる現代美術のアーティスト」と教えてもらいました。それで見に行ったのが国立国際美術館での「歴史の歴史」展です。彼が収集した文化財を扱いながら現代美術として展示をするというのが非常に不思議な感じがしたものです。そこから注目しているアーティストになりました。

今回は、普段、脇役である表具を主役にした展覧会。それだけでも面白そうなのに、杉本博司の審美眼×発想が爆発していて、見ていてワクワクする展示でした。
中身の作品のチョイスも様々なジャンルがあり、表具は控えめに作品を支えるというよりは、違う面白さを増幅させているように感じました。骨董などの中身とそれに合わせた軸、そして同じく骨董や異素材の飾り物の組み合わせを一つ一つ楽しみながら見て回りました。本当に、彼は現代の数寄者と思えてきます。

この展覧会はこちらの書籍がもとになっています。興味がある方は手に入れてみてはどうでしょうか?細見美術館のミュージアムショップでも人気で売り切れたりすることもあるそうです。

料理本というのがまた面白い

第2位 「皇室の名宝」京都国立博物館

記事はこちら

宮内庁三の丸尚蔵館の所蔵品、その中でも名品を京都に持ってきてくださった展覧会です。

行きたいと思っていながらなかなか行けなかった宮内庁三の丸尚蔵館、こんなありがたい機会は逃すわけありません。特に若冲の動植綵絵、旭日鳳凰図がお目見えとあってとても嬉しかったです。(結局、後期展示の旭日鳳凰図は見られずに終わってしまいました。今後リベンジしたいです!)

そのほかの近世絵画がとにかくビッグネームの名品揃いで、前期・後期でほぼ入れ替えとなるラインナップ!近世絵画のコーナーは何往復もしました。絵巻や書など含め、全体的にテンションが上がりっぱなしの鑑賞となりました。

第3位 「カラヴァッジョ」あべのハルカス美術館(巡回)

記事はこちら

関西には巡回で昨年末から今年2月にかけて開催されていました。

数年前、イタリア旅行に行ったときガイドブックにカラヴァッジョの絵画が見られる教会など掲載されていたのですが、時間の関係でそこまで回り切れず、あとから見てみたいという気持ちが強くなってきました。そこにこの展覧会、しかも日本初公開が結構あったので、とても楽しみでした。
当初、チラシのメインヴィジュアルだった「ホロフェルネスの首を斬るユディト」の作品が来ないとなった時には、特に驚きませんでした。「ああ、イタリアならやりそう…」そう思ってしましたね。

カラヴァッジョの作品はもとより、その波乱万丈の人生も面白く、展示室内のヤマザキマリ先生の描くカラヴァッジョと解説を読んでいくのも楽しかったです。あと「リュート弾き」の作品の前に、実際の果物やモノを絵と同じように配置して見せる工夫もありました。「ユディト」の代わりにメインヴィジュアルになった「法悦のマグダラのマリア」はその表情など得も言われぬ作品で、見れば見るほど自分の中でいろいろな解釈が生まれそうな気がしました。(最終的には記事に書いた通りです。)
ますますカラヴァッジョに興味がそそられた展覧会でした。

今春は「キリストの埋葬」が日本にやってきます。(国立新美術館「キリストの埋葬」展)まだまだカラヴァッジョの熱は冷めない感じですが、関西に巡回しないのが非常に残念です。

第4位 「毘沙門天」展 奈良国立博物館

記事はこちら

仏像もよく展覧会やお寺に見に行きますが、四天王像は割とよく見る仏様です。その中でも多聞天、特に独尊として祀られる「毘沙門天」は人気がありますが、いまいちよく知らない仏様だったので基礎的な部分からとても興味深く拝見しました。バラエティ豊かな毘沙門天とその眷属たちを一堂に見ることができ、発見の多い展覧会でした。特に、ウィッシュポーズの尼藍婆、毘藍婆が可愛らしくて、見た目にもインパクトありでした。

コロナの脅威が迫りつつある時期で、展覧会途中で休館、そして終了となってしまったのがとても残念でした。

第5位 「瑞獣伝来」展 泉屋博古館

こちらはまだ記事にできていません…

龍・虎・鳳凰という瑞獣にスポットを当てた展覧会でした。
おめでたい想像上の生き物を描く、これこそ作家の腕の見せ所ではないかと私は考えています。それ故に受け取り方や捉え方に変遷があったり、絵画から工芸品までとても面白い題材で、楽しみにしていた展覧会の一つです。

期待を裏切らないラインナップでしたが、難点を挙げるとすれば作品数がそんなに無かったことです。企画展示室の広さからいって仕方のないことだと思いますが、もっと見たかった!というのが正直なところ。それくらい面白い展示でした。それでも、ついでに中国青銅器をたくさん見たので満足度は100%になりました。

あと、滅多に買わない展覧会図録を買った展覧会でもあります。瑞獣の変遷についてわかりやすくまとめられていると思います。まだしっかり読めていないので、これからゆっくり楽しみたいと思います。

以上が昨年2020年の展覧会トップ5です。いかがでしたでしょうか?

終わりに

昨年は数えてみたら展覧会には17件、お寺の仏像拝観は2件行っていました。思っているよりも行くことができていて、ありがたい限りです。快く送り出してくれる家族にも感謝したいと思います。

今後の見通しが立たない状況にありますが、今年も無事に展覧会が開くことを願っています。そして自分自身も健康に気を付けて、美術館・博物館に足を運べるようにしたいですね。

まずは昨年の記録を地道に記事に挙げていくことから始めたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

【展覧会感想】国立国際美術館「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」

【展覧会特設HP】

【美術館HP(展覧会ページ)】

【会期】2020/11/3(火)~2021/1/31(日)

待ちに待った

コロナ禍で海外の作品が来ない!という事態になり、やむなく中止になった大型展もありましたが、この展覧会は開催され嬉しかったです。久々の西洋絵画を堪能しました。東京での開催時に、BS日テレの「ぶらぶら美術・博物館」を視聴していたのが攻を奏し、作品数が多くても頭にスッと入ってきました。やはり見ておくべきですね。

ロンドン・ナショナル・ギャラリーとは?

簡単に説明すると、1842年設立のイギリスの美術館です。
チラシの文言を借りながらもう少し説明します。他のヨーロッパの美術館は王室が自分たちのために描かせたり収集した絵画が基になっているに対し、ロンドン・ナショナル・ギャラリーでは「市民の手で市民のために形成された」コレクションであることが特徴です。「幅広い地域と時代のヨーロッパ絵画を網羅し、13世紀後半から20世紀初頭までの名品約2300点を所蔵」しているという圧倒的規模の美術館なのです。

個人的お目当て作品

個人的な趣味でいうなら、「初期ルネサンス絵画」「グランドツアー」の作品群。ちなみに「グランドツアー」とはイギリス貴族のご子息が学業の終わりに行った世界を巡る修学旅行というようなものです。

BS日テレの「ぶらぶら美術・博物館」ではクリヴェッリ「聖エミディウスを伴う受胎告知」が紹介されていました。確かに大きくて、緻密で、特徴的な遠近法の絵画はなかなかの大作でした。
私が好みだったのはギルランダイオ「聖母子」。抑えたトーンの聖母子ながら、それゆえに荘厳で繊細な感じを受けました。
ティントレット「天の川の起源」はお話の登場人物である神ゼウスに天使や女神ヘラが入り乱れ、無重力空間のような絵画で印象的でした。その女神ヘラから出る母乳がこぼれ星となり、天の川になったとキャプションで知って、「あ、だからmilky wayなのね」と今更ながら思いました。※wiki情報はこちら

また「グランド・ツアー」の作品は大好きなイタリアの風景が見られました。カナレット「ヴェネチア:大運河のレガッタ」は有名ですよね。ヴェネチアは昔も今も絵になる都市だと実感しました。あと、「私も好きな画家に好きなイタリアの風景を描かせたい!」「またイタリア行きたいな~」という気持ちになりました。

愛らしいヨハネ

これはムリーリョ「幼い洗礼者ヨハネと子羊」のことです。
よく聖母子にくっついて、キリストよりちょっと年上の幼児の姿で描かれている作品は見たことありますが、単独でも可愛かったです。子羊の首もとを抱き寄せるようにして、ポーズも可愛い!愛らしい姿に癒されました。

怒濤のフランス近代絵画

最後に設けられたこの章は有名画家の作品がこれでもかと詰め込まれています。この章だけでも贅沢な布陣でした。

その中でアンリ・ファンタン=ラトゥール「ばらの籠」は美しい作品でした。この画家は「花の画家」と呼ばれていたそうです。バラといえば、マリー・アントワネットご贔屓の宮廷画家ルドゥーテが思い出されました。ルドゥーテは植物画に近く平面的な作品ですが、ラトゥールは空間も含めて静物画の要素が強い感じがしました。他の花の作品も見てみたいと思いました。

ゴッホの「ひまわり」

この作品は大トリでした。他の6枚の「ひまわり」の変遷やゴッホの概略などパネルで丁寧に紹介されており、作品としての「ひまわり」をよく知らない私にはありがたかったです。

第一印象は「黄色い塊」。黄色の持つパワーでしょうか?何かその色味以上に鮮やかな作品に思えました。ゴッホの他の作品も見たことはありますが、いつもその熱量に驚きます。塗り重ねられた絵の具を見ていると、そこから電波か何かが出ているようです。今回は人だかりが出来ていて少し離れた所から鑑賞しましたが、それでも感じるパワーでした。

まとめ

最後の「ひまわり」の部屋にこのロンドン・ナショナル・ギャラリーの歴代館長の紹介がされており、美術館のコレクションが形成される過程を少しなぞることができました。資産家、美術史家、銀行家などが名を連ねていましたが、それぞれ相当な目利きでもあったんだなぁと感心するばかりです。

今回は、よくぞ開催してくれました!と感謝の思いがよぎる展覧会でした。そしてそのコレクションの名品に触れ、いつの日か現地のロンドン・ナショナル・ギャラリーをゆっくりと見て回りたいと思いました。

国立国際美術館 これを目印に

【展覧会感想】あべのハルカス美術館「奇才―江戸絵画の冒険者たち―」展

奇才展ヴィジュアル これは大阪展独自のデザイン

【展覧会特設HP 

【美術館HP(展覧会ページ)】

【会期】9/12(土)~11/8(日) 

概要

(1か月ほど前の話です。色々と思い出しながら書きました。)

江戸絵画の多彩さを象徴するような展覧会。有名どころから初めてお目見えの絵師まで全国から35人の絵師の作品がそろいました。これはワクワク・ドキドキのラインナップです。

私は会期終了間際に行ってきました。前評判から、見たい絵師の作品はいろいろありますが、長沢芦雪の襖絵と高知の絵師・絵金の作品は絶対見たいと思っていたので、間に合って良かったです。

芦雪の襖絵

芦雪の襖絵のある和歌山県串本町の無量寺には一度行ってみたいと思っています。(しかも青春18きっぷで紀伊半島を回りながら、という壮大な夢)このお寺の襖の配置で龍図と虎図を見ることができて、お寺の空間を少しでも感じることができました。
それにしてもこの襖に挟まれたら、お坊さんも緊張感が増すでしょうね。そしてこの襖の依頼はもともと師匠である応挙に来ていたというから、「応挙のパターンも見てみたかったなぁ」と私は妄想してしまいます。でもこんなド迫力の作品にはならなかったでしょうね。

高知の絵金

絵金という絵師も学生時代に知り、こちらも高知の絵金蔵で見ることが出来ていませんでした。どの展覧会か忘れましたが、一度作品を見たかな?という記憶があります。
地元・赤岡では、年に1回7/25に絵金祭りというのが開催されていて、それに行ってみたいとずっと思っていました。最寄り駅のキャラクターも絵金さんだったような気がします。(高知出身やなせたかし大先生のデザインです!)京や大坂の絵師より知名度はないものの、地元では地域ぐるみで大事にされています。
絵金の作品は歌舞伎などの名場面を描いています。役者が画面から抜き出てくるかと思うような人物描写、どろっとした血のような赤、その他濃い泥絵具の鮮やかな色彩が特徴です。明るい展示室で見ると美しいのですが、これがろうそくの灯りのもとだったらどうでしょう?ちょっとオドロオドロしい感じになりそうです。それもまた良い!

耳鳥斎はやはり良い

耳鳥斎(にちょうさい)は大坂の絵師です。
確か数年前の大阪市立美術館「江戸の戯画」展でそのユルさに度肝抜かれました。それからは私のお気に入り絵師の一人です。今回は「別世界巻」というさまざまな地獄の責め苦を描いた絵巻が出ていましたが、それがゆるくて面白く、風刺も効いています。
今回、後期より前期の方が出展数が多かったのが悔しいポイントでした。

高井鴻山の作品はまた別次元

高井鴻山といえば、信州小布施の豪農商で、当時の思想家、文人墨客と親交があった人物です。葛飾北斎を小布施に招き、自身も北斎に弟子入りしたことが有名だと思います。この展覧会では鴻山自身の作品を見られる珍しい機会でした。

今回、北斎の「上町祭屋台天井絵 男波」か最初にドーンと展示されていますが、これは「女波図」と対になる作品です。学生時代に「女波」の枠部分に描かれた天使のような謎人物を見たことがあります。それを鴻山が描いたと言われています。その初対面以来、鴻山の作品に接しました。
鴻山が描く妖怪たちは精緻でグロテスクでありながら、見るうちに愛着もわいてくるようなものでした。北斎の画業を支えた人物というだけでは勿体ないですね。今度は絵師・鴻山の画業も追っていきたくなりました。

語り尽くせない!

それぞれの絵師について語り尽くしたいところですが、まとまりがなくなってしまいそうなので、特に印象的な、思い入れのある絵師について述べました。それくらいお腹いっぱい盛り沢山の展覧会だったことは伝わったでしょうか?

奇才とは

最初、実はこの「奇才」という題名がちょっと引っかかってはいました。有名どころと、あと自分が知っている絵師も多くいたので、「奇才=奇をてらって描く絵師」のように思われないかと心配していました。おそらく大きなお世話ですが。
昨年の東京都美術館「奇想の系譜展―江戸絵画ミラクルワールド―」とも目玉になる絵師は重複しています。この時も「人気者だもんね、展覧会組むのもしょうがないよ」「まだ1970年の辻惟雄先生の著書にしがみついているのってどうなの?新機軸を求む!」と複雑な気持ちがわいてきました。しかし今回は、『奇想の系譜』メンバーは定着し、むしろその筋では王道のような扱いで、近年人気の「ゆるカワ」な作品が新しいジャンルを作っているように思いました。なので、自分の中では「『奇想の系譜』オールスターズと地方の愉快な仲間たち」ということで納得することとします。

自分用メモ

最後に本文では触れませんでしたが、気になる絵師を自分へのメモとしてのこしておきます。
・蠣崎波響
・佐竹蓬平
・神田等謙

早くもあべのベアのクリスマスツリーが飾ってありました

【展覧会感想】奈良国立博物館「第72回 正倉院展」

【美術館HP(展覧会ページ)】 

【会期】10/24(土)~11/9(月)
会期中無休

出陳宝物リスト

※前売日時指定券は全日程すでに売切 当日券なし 

毎年恒例

私個人的には毎年恒例の展覧会です。奈良に来てから行かなかった年は1,2回だけ?かと記憶しています。何はなくとも1回行く、そういう展覧会です。奈良の人にとっても「正倉院展の時期」というのは特別で、お商売としても、街の雰囲気にしても活気づく時期です。お祭りに近いものがあります。

今回は子どもと一緒に見に行ってみました。すったもんだありましたので、それもまたお付き合いください…

コロナ禍での開催

今年は特別な開催になったと思います。いつもよりだいぶ人数を制限しての開催になり、行けない方も出てきています。その分、いつもよりコアなファンが来られているような気がします。
一時期は全ての展覧会がストップしていたことを思い出すと、いろいろな工夫と努力の上に開催され、無事に見に行けたことを感謝したいと思います。

毎回確認していること

正倉院展に来たら、毎回確認していることがあります。
それは、私のアイコンに使っている「呉女面(ごじょめん)」が出陳されているかどうかです。今回も確認しましたが、出陳されていませんでした。残念です。保存状態が良くないのか何なのか、10年以上見ていない気がします。

他の伎楽面は数点出陳されていました。子どもに見せてみたら、キャッキャッと笑っていました。どうやら人の顔っぽいことは認識できたようです。今まで展覧会に連れてきても積極的に作品を見せることはなかったのですが、ちゃんと反応が返ってきて感激しました。これが初めての鑑賞体験として言っていいかなと思っています。

今回の展示で興味深いもの

今回の出陳されているものは結構大人しめというか、渋いラインナップだったように思います。華かやさで言ったら、「よみがえる正倉院宝物」展の方が見所多いような気もします。

その中で興味深かったのは、光明皇后が聖武天皇の四十九日に天皇の遺愛品とともに献納した薬の材料の数々。大陸から伝わったであろう、いわゆる漢方薬の類や化学物質の塊のようなものが出陳されていました。まだ科学の発達していない時代にどのような医療を施していたのか、とても気になります。

その献物帳である「種々薬帳(しゅじゅやくちょう)」もじっくり目を通してみたいですね。なんせ60種もありますから。

この薬物の献納について、「五色龍歯」の解説には以下のようにあります。

聖武天皇の四十九日に当たる天平勝宝8歳(756)6月21日、お后の光明皇后は聖武天皇の遺愛品とともに、薬物60種を大仏に献納した。献物帳の『種々薬帳(しゅじゅやくちょう)』には、堂内に安置して仏を供養するために献納するが、もし病に苦しむ人々がいれば薬を分け与えて良いとし、また彼らが亡くなった場合には花蔵世界(けぞうせかい)(盧舎那仏(るしゃなぶつ)=大仏の世界)に生まれ変わるよう願っている。光明皇后は以前より悲田院(ひでんいん)や施薬院(せやくいん)を創設するなど病人や孤児の救済に尽くしていたが、薬物の献納はその活動の一環に位置付けることができる。

https://www.narahaku.go.jp/exhibition/2020toku/shosoin/2020shosoin_index.html

もし病に苦しむ人々がいれば薬を分け与えて良い」とはなんてお優しいんでしょうか光明皇后は…光明皇后のエピソードは福祉の精神が備わっているというか、本当に慈愛に満ちていると感じます。
光明皇后は遠い昔の、とてもとても身分の高い人物です。しかし、その人となりのようなものを宝物や文書から感じられる喜びが正倉院展にはあります。なので、毎年来てしまうのです。

今後の展覧会のあり方を考えさせられる

私が学生だった時、学芸員資格を取るための必須科目「博物館経営論」(だったと思います)では、外部の講師の方が授業をしてくださっていました。その方が奈良博の学芸員(現・学芸部長)の内藤栄先生でした。

博物館の在り方から実際の業務の流れまで講義してくださり、とても興味深く受講していました。その中で正倉院展の話になり、先生が「正倉院展は今や10万人、20万人の方が来てくれる展覧会。奈良国立博物館はそこで1年分の集客を稼いでいる。それによって、他の特別展の時期に各学芸員の研究成果を出す、“攻めた”展覧会を開催することができている」というような旨をおっしゃっていました。

その頃、正倉院展がものすごく混み始めて個人的には「正倉院宝物の保存修復がメインで、展覧会はおまけみたいなものなのに、なんだかなあ」と思っていたのですが、これを聞いて「なるほど!この状況が博物館にとってプラスになることもあるのか」と強く印象に残っていました。

マスコミが主催となる大きな展覧会で「とにかく集客ありき」というスタイルはコロナ禍では推奨されません。実際、正倉院展ではかなり人数が制限されました。そうなると、以前に先生がおっしゃっていたことはできなくなってしまいます。稼ぎ頭で稼げない状況になるのですから。今後どういう形で展覧会、博物館が企画運営されていくのか?安心安全と集客は両立するのか?その方法はあるのか?…そういった事柄にも思いを巡らせた今回の正倉院展でした。これからも注視していこうと思います。

おまけ1:ベビーカーなしで大苦戦

今回、子どもを連れて行くにあたりベビーカーで行きましたが、それが失敗でした…

それに気づいたのは、検温も済んで「あとは中に入るのみ」と回廊を進んでいるときでした。そこでベビーカーでは中に入れないと言われました。その日は抱っこ紐も持ってきていなかったので万事休す。

あとで確認しましたが、入館・観覧についての諸注意のPDFには書いていました。(そこまでは見なかった…)

戻って無料預り所にベビーカーを預け、抱っこで入ることに。子どもは10㎏、いつも重いので長い時間は抱っこできません。でも抱っこしないと見られない。もうここは気合で行くしかないと腹を決め、飛ばせるところは飛ばし、何とか見終えることができました。腕が死にそうでした。

なので、今回の感想はなんだか例年よりあっさりな感じになってしまいました…

コロナ禍でただでさえ注意事項が多くなっています。子連れなど身軽でない状態のときは毎回ちゃんと注意事項に目を通して、万全の体制で行くべきだなと勉強になりました。

せんべいも無いのに近寄ってきた鹿

おまけ2:特別公開情報

奈良国立博物館に立て看板がありました!

【展覧会感想】京都国立博物館「皇室の名宝」展

皇室の名宝展@京都国立博物館

【京都国立博物館HP】

【展覧会ページ特設ページ】事前予約もここから

【出品リスト10/5更新分】 

【会期】10/10(土)~11/23(月祝) 

概要

この展覧会は、令和という新しい世になったことを寿ぎ、宮内庁三の丸尚蔵館に所蔵されている作品、主に皇室関係の逸品を公開するものです。東京以外でまとまって見られる機会は今回が初めてだそうです。今回の改元に際し、過去の即位に関わる物品も見られ、時代の変わり目に立ち会えていることを幸運に感じました。

私は宮内庁三の丸尚蔵館にはまだ行ったことがありません。しかし、若冲の作品を多数所蔵しているので、絶対に行こうと思っている博物館です。東京にもなかなか行けないですし、この機会に見られるのは本当にありがたいと、ワクワクしながら久しぶりの”京博”に足を運びました。

お目当ては若冲!

お久しぶりの「動植綵絵」8幅とまだ見れていない「旭日鳳凰図」は絶対見ようと思っています。

しかし、行ったのは前期。旭日鳳凰図は後期展示です。他にも後期には結構見ごたえある作品が多いような気がします。なので、さっそく後期も行かないとなあ…と贅沢な悩みが出てきてしまいました。(上の出品リストをご参照ください)

「動植綵絵」 新しい見方をしてみる

「動植綵絵」、京都におかえりなさい!前後期で4幅ずつの公開です。

展覧会に行くちょっと前、人間ドックの待ち時間のことです。開幕前日でNHKのカメラが入って展示を紹介しているとき、ちょうど動植綵絵や応挙の牡丹孔雀図を紹介していたので、フライングした気分でした。しかし、目の前で見ることができて素直に嬉しかったです。

その中の「薔薇小禽図」は30幅の中でもなんとなく自分が納得いってない感じがあって、繰り返し見ていました。 描かれた薔薇自体が西洋画と異なり、非常に平面的なのが違和感があるのは自分でもわかるのですが、その他の花との組み合わせも何か気にいらないというか…こんな風に非常に歯切れの悪い説明になって、まだまだ若冲の意図をくみ取れてないんだなと反省しました。
好きな作品を穴が開くほど見ることは簡単だと思います。でも、あえて気に入らない作品がどこが嫌で違和感があるのか見ていくのも面白いですね。こういうことは他の展覧会でもやってみようと思います。

「近世絵画百花繚乱」のコーナーは見過ごすべからず

先ほどの若冲作品もこのコーナーに含まれます。若冲以外もまあ豪華共演で、思わず会場を行ったり来たりして目に焼き付けました。しかもほぼ前後期で展示替えしてしまうので、見たい作品を作品リストでチェックしてから早めに予約するのが吉です!

●海北友松「浜松図屏風」
6曲1双のゆったりとした浜辺の様子に千鳥が群れ飛ぶ図柄。海北友松といえば龍図のような水墨の激しいタッチの作品が思い浮かびますが、こういったやまと絵題材の屏風も残しており、大きな画面での構成は画家の力量を感じさせます。ちょっと浮世離れしたゆったり感じがとても好きです。

●狩野探幽「源氏物語図屏風」
こちらも大御所!探幽の描くやまと絵の屏風もめったに見ないですね。源氏物語の各場面が屏風全体にちりばめられて、優美な世界がありました。表具の枠?のところが葵の御紋と桃?宝珠?のワッペンのようなものが張り付いていて、枠?まで豪華でした。おそらく嫁入り道具だったのでは?

●円山応挙「群獣図屏風」
コの字型の展示室の奥にバーンとありました。存在感抜群でした。いろんな動物たちが描かれていて、見ていて飽きない作品。お馴染みのモフモフの犬もいましたよ♪

絵巻も見所多し

前半の展示、絵巻のコーナーも見ごたえがありました。時間区切りで入った人が列をなして溜まりがちなので、ゆっくり見たい方は先に他の部分を見て戻る形がいいと思います。

前期では「蒙古襲来絵詞」の教科書に載る有名シーン(てつはうが放たれる場面)が出ており、テンション上がりました。そこばかりでなく、周りに沢山描かれるモンゴル人の様子もしげしげと見ることができました。服装が今のモンゴルの伝統衣装そのままに見えたので、やはり見てきたものを忠実に再現しようと頑張ったんだな等と思いながら拝見しました。

また、久しぶりに見た「春日権現験記絵」も良かったです。中世絵巻の基準ともなる作品、いつ見ても人物の描線ややまと絵表現がキレキレで無駄なく美しいです。線がきれいというのは絵師の技量の高さを物語る目安だと私は考えています。鑑賞者としても基本に立ち返らせてくれる作品でした。

あと、これまた久々の岩佐又兵衛作品、「小栗判官絵巻」。実際に見た記憶が残っていないのですが、ちょっとグロテスクな感じもある鮮やかな絵巻に目を奪われました。人物表現が特徴的なのでグロテスクに見えるだけかもしれません…久々すぎてわからなくなってきました…

※紹介した絵巻3作品は巻替えで後期も展示されます。

皇室=雅、和だけではない

三の丸尚蔵館の所蔵品=御物というわけではありませんが、何らかのゆかりがあるものでしょう。今回の展示の章立ての中に「唐絵へのあこがれ」「漢に学び和をうみだす」という小項目がありました。スルーしがちですが、これは皇室の品々だけでなく日本文化が歩んできた道だと改めて思いなおしました。

いま、世間一般にいう皇室からくるイメージは雅、宮廷文化、和風、古典的、伝統的なものが強いです。しかし、それは長い歴史の中で最先端の異文化を取り入れながら醸成されてきたものの結晶です。または明治以降のイメージ戦略で植え付けられたものかもしれません。そんな中で、今回、大陸文化の作品群や和漢の考え方が共存する作品群がまとまって展示してあるのは、個人的には意味のあることだと思いました。

後期も楽しみです

後期も行くかは未定ですが、行けるなら行きたい所存です!何せ近世屏風のコーナーがほぼ総入れ替えですから!行けなくても、今回書の作品など語りつくせていない部分もあるので、それについてまた書くかもしれません。
何度も言いますが、行かれる予定の方はぜひ出品リストをしっかりチェックしてお見逃しのないよう予約してください。

【展覧会感想】奈良県立万葉文化館「くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵展」+飛鳥池工房遺跡

遊べる浮世絵展

【美術館HP(展覧会ページ)】 

【会期】4/25(土)~6/21(日) 
※新型コロナの影響で5/19(火)からの開館

自粛明け初めての展覧会

5/31(土)に久しぶりに美術館に行きました。コロナの感染拡大前に滑り込んだのが、2月末の大和文華館。そこから約3ヶ月…

奈良県内の県立美術館と万葉文化館はまだまだ自粛の中にあって5/19から開けてくれていました。その頃は県またぎの移動が出来ませんし人は少ないだろうなと思っていました。私が行った時間帯(土曜午前)で同じ空間にいたのは3,4組だったと思います。

館内の感染予防対策

  • 入り口でのアルコール消毒と注意書きの紙を渡されました。スタッフの方が常時おられる感じです。
  • 窓口、もぎりはビニールカーテンで仕切られていました。
  • 看視員さんもフェイスシールドされていました。
  • 地下は閉鎖されていました。
  • 展示室、ショップ、レストランの前にも消毒が置いてありました。
  • 展示室内には、角々に2m空けるよう案内板がありました。
万葉文化館掲示板
万葉文化館掲示板 
万葉文化館からのお願い
入り口で配られた「万葉文化館からのお願い」

人が少なかったので、自然と間隔も開き、特に堅苦しい感じもなく見ることが出来ました。

概要

さて、展覧会は特別展「くもんの子ども浮世絵コレクション 遊べる浮世絵展」。あの「公文」がこんなコレクションを持っているというのは初めて知りました。チラシには1986年から史料の収集と研究を続けてきたとあります。
WEBを見るとコンテンツが充実していたので、またゆっくり見たいなと思います。

公文教育研究会による浮世絵の収集と研究は、フランスの歴史学者フィリップ・アリエスの絵画資料を用いた中世ヨーロッパにおける子ども研究に触発されて1986年からスタートしました。現在、子ども浮世絵を含めた3,200点におよぶ子ども文化史料を保有しています。「くもん子ども浮世絵ミュージアム」では、保有する文化史料の中の約1,800作品(約2,135点)の子ども浮世絵を公開しています。 そこには日常生活や季節の行事の中で遊ぶ子どもの姿や、子どもをめぐる情愛豊かな情景や、まめまめしく子どもの世話をする母親など、子宝思想のもと子どもたちが家族や地域の大人たちに大切に育てられ、そして成長していった様子が生き生きと描かれています。「子ども浮世絵」を通してそこに描かれた子ども文化をしばしご堪能ください。

くもん子ども浮世絵ミュージアム HPより https://www.kumon-ukiyoe.jp/

盛り沢山の内容でした

子どもの遊びや生活の様子、節句の飾り、判じ絵(絵のなぞなぞ)、絵双六などおもちゃ絵、子どもに人気のヒーロー関連、百鬼夜行などモノノケ関連とさまざまな作品が並んでおり、気楽に楽しく鑑賞できました。子どもの姿は絵の中とはいえ現代に通じるものがありました。

浮世絵の絵師はそんなに詳しい方ではないですが、歌川国芳の戯画「ほおずきづくし」や鈴木晴信・喜多川歌麿の浮世絵、群魚・虫といった物尽くしもあったりして、ちょっと私得な展示でもありました。

組立絵

展示の中に「組立絵」というものがあったのですが、つまりはペーパークラフトのことです。

古典の物語の一場面(館の様子等)や甲冑などありました。一枚の紙にパーツをギュっと詰めて印刷されており、切り取って組み立てたようです。これも考えて作る人はすごいですよね。國學院大學大学院美術史ゼミの方々による実際に組み立てたものも展示されていて、より興味がわきました。
こんなゼミ楽しいだろうなあ。

金太郎=坂田怪童丸=坂田金時⇒源頼光⇒酒呑童子の話

展示を見ていて、この金太郎と酒呑童子のつながりをわかってないことに気づきました。勧善懲悪で江戸時代では人気の物語だったそうです。

実際の浮世絵を見ていると興味がわいてきたのでちょっと本など読んでみようかなと思います。『まんが訳 酒呑童子絵巻』(ちくま新書) あたりから始めてみようかな。

思わず絵に話しかけそうに

「1 愛される子どもたちー江戸の暮らしと風俗ー」の章
喜多川歌麿筆「名所風景美人十二相 赤子に乳を飲ませる母」では、赤子がこちらを見ながら、乳を引っ張って吸っている光景が描かれていて驚きました。あまりにも現代と変わってないと感じました。まさに自分事として非常に共感し、思わず笑顔に。
他にも、歌川国芳筆「山海愛度図会 乳が呑たい」といった作品もあり、いつの時代も赤ちゃんの仕草って変わらないのねと微笑ましく見てしまいました。

まとめ

今回は子ども自身が遊んで楽しむ作品やオモチャがありましたが、大人たちが子どもに向ける”まなざし”のようなものを表現している作品もありました。
「七つまでは神のうち」の言葉にあるように、子どもはあの世とこの世を往き来する存在とされています。特に昔は幼くして亡くなる子どもも多かったので、絵のなかではその儚さを永遠に留めたい願いもあったのでしょうか?少なくとも絵師の眼を介しては、とても温かく見守られていたように思います。

たくさんの子どもが描かれているだけで子孫繁栄=縁起良いものですよね。その描かれる姿は時代を経ても変わらないように思いました。思わずしみじみとした展覧会でした。

おまけ1:飛鳥池工房遺跡

万葉文化館は飛鳥池工房遺跡の上に建てられています。この遺跡では富本銭が鋳造されていたこともわかっています。そういう富本銭を作るワークショップなども以前は実施されていましたね!
遺跡も発掘した状態で保存されているのが廊下から、そして外に出て近くで見ることが出来ます。興味のある方はぜひ!

飛鳥池工房遺跡
飛鳥池工房遺跡キャプション

おまけ2:久しぶりに子連れで鑑賞

子供と一緒に展覧会に行くのは、生後3ヶ月のとき以来です。久々の家族での外出で、「とりあえず近場で」ということになり、私のわがままに付き合ってもらいました。

前回(3ヶ月のとき)は途中で泣き出して、再入場と退出を繰り返し、授乳をはさんで、結局私だけが会場に戻って見るというハードモードでした・・・
今回は機嫌よく見始めたものの、途中から声を出し始め、展示室が響くので悦に入ってやめてくれません。夫のファインプレーで収まり、途中で寝てくれて、何とか最後まで落ち着いて見られました。
そのとき、看視員さんに「お母さん!」と声をかけられ、何かと思ったら、「(室内は)結構冷えるので、ひざ掛けか何かありますか?」と。「あ、ないんです。(忘れてた)」と答えました。その節は親切にありがとうございます。久々すぎて掛け物とか忘れてました!

~乳幼児連れの方へ~
・展示室内は冷えるので掛け物をお忘れなく。
・泣き出したり奇声をあげ始めたら、潔く外に出る。必ず再入場できるかの確認を。

せんとくん
入り口にいつもいる

【展覧会感想】大和文華館「水のめぐみ 大地のみのり」展

【大和文華館 展覧会ページ】

【会期】2020年2/21~4/5
※3/3より臨時休館、そのまま会期終了

美術館にいけなかった2ヶ月間

新型コロナウィルス感染拡大によって、美術館・博物館は臨時休館を余儀なくされました。私も春のシーズンに美術館に行けずムズムズしながら、命を最優先に考えてSTAY HOMEの日々でした。美術館に行かなかった期間としては出産直前と産後の3ヶ月間が最長だったので、それほどダメージは少ないように思います。

先日奈良でも緊急事態宣言が解除され、美術館等も再開する情報が聞かれるようになりうれしい限りです。その前に、臨時休館になる直前(2/29)に観に行けたこちらの展覧会について記しておきたいと思います。

どんな展覧会でも企画、広報、展示やいろいろ万全の状態で始められるように準備に尽力された担当の学芸員の方がいます。一番悔しいのはその方々ではないでしょうか?
「私は幸運にも展覧会を見られたので、嬉しかったです!楽しかったです!」という気持ちを伝えたいと思います。

全体の印象

展示全体から感じたことは、実に健やかであること。
この展覧会タイトルの副題に「野菜、果物、魚介の美術」とあり、まあそのままなのですが、要はこれらが豊穣・豊漁を願う、おめでたい意味を持って描かれたりしているということです。コロナウイルスの不穏な空気が漂う中、この人類不変のおめでたいモチーフを見て「ちょっと元気が出た」と思いました。
その意味での「健やかさ」がありました。

こういった作品は中国が始まりで東アジアに伝播します。田畑を耕し魚を取るという自給自足の生活は世俗から離れて暮らす者の理想となり広く人気となったためでした。それを中国・朝鮮の作品から日本のものまで見られるのは興味深かったです。

一番気になっていた作品は

一番気になっていた作品は、チラシ・ポスターにも採用されている岸連山筆「野菜涅槃図」(個人蔵)です。

これは見立涅槃図というジャンルの作品です。元となる仏教絵画の涅槃図は釈迦が入滅する場面を描いたもので、中央に横たわる釈迦が、その周りには悲しむ弟子たちやたくさんの生き物を描いています。江戸時代になり見立涅槃図が盛んに描かれ、そのうちの一つが大根を釈迦に見立てた果疏涅槃図です。

私は若冲が好きなので、最初見たとき若冲の果疏涅槃図を思い浮かべてしまい、「若冲にこんな作品あったっけ?」と考えてしまいました。若冲の作品は水墨作品でしたね。
伊藤若冲「果疏涅槃図」 (Google Arts&Cultureより)

若冲の方は形もかなりデフォルメしていてユーモラスな雰囲気がありますが、岸連山の作品は野菜たちのみずみずしい様子が伝わってきます。いろんなモノが描かれている画面なのにまとまりがあるように見えました。それは画家の構成力が効いているのもありますが、元の仏教絵画の涅槃図が頭に入っていてパロディとしても楽しめているからかもしれません。

そのほか気になった作品

富岡鉄斎筆「車海老図」「伊勢海老図」
とにかく新鮮なみずみずしい様子が伝わってくる作品。鮮度を絵に閉じ込めたといってもいいのでは。これは頂き物の車海老・伊勢海老のお礼の手紙に添えられた絵で、こんなお礼状が着たら贈ったほうも嬉しくなると思います。

李宗謨筆「陶淵明故事図巻」
自給自足の生活で隠遁者の理想像となった陶淵明。その故事の一つ、弦のない琴を弾く段が印象的でした。陶淵明は音痴だったのでこの琴をつまびいて音を想像して楽しんだというもの。音痴だったことにちょっと笑ってしまいましたが、なんとも風流なエピソードですね。

明るい画面で華やかな作品。蝶もおめでたいモチーフです。パステルのようなやさしい色調の草花や野菜と鮮やかな色の蝶の対比がきれいです。中国・清時代の作品ということで、西洋絵画の技術も使われたのかな?と思わせる作品です。

最後に

観に行った日は土曜日で、ちょうど14時からの列品解説があるところでした。担当の学芸員さんから展示スペースで各作品の解説を聞けるというものです。一時間程度、途中で輪から抜けても入ってもよいというスタンスなので気軽に参加できます。(入館していれば無料です)

私はこの解説にめったに遭遇することがなくて(むしろちょっと混むので、あえてはずすことが多いです)、最初だけ聞いてみました。わかりやすく丁寧に解説されていて、キャプションだけでは頭に入ってこないこともスッと理解できました。これを目当てに来られてる方も多いでしょうし、支持されているから長く続いているんでしょうね!



新型コロナウィルスがもたらした社会への影響は美術館の教育普及の取組み、来館者を増やすための方策にも大きな変革を迫っています。
この大和文華館でも講演や独自の講座、音楽のコンサートなどいろいろなイベントを毎回企画していました。それがafterコロナ、withコロナの世界ではリスクとなってしまうのは本当に残念です。しかし、悪いことだけではなくて、オンラインの活用など地方に住む人間にとってはこれから可能性が広がることも増えてくるように思います。どちらにしろ、大きな転換点を迎えていると思います。

私に出来ることは、感染対策を個人でもきっちりやって、再開する美術館の展覧会に行くことです。今回のことで途中で休館になってしまったり、開くことさえ出来なかった展覧会(そしてその担当の学芸員さん)のことを思うと悔しい気持ちですし、行きたいところには行っておくべきだなと思いました。