【展覧会感想】京都国立博物館「皇室の名宝」展

皇室の名宝展@京都国立博物館

【京都国立博物館HP】

【展覧会ページ特設ページ】事前予約もここから

【出品リスト10/5更新分】 

【会期】10/10(土)~11/23(月祝) 

概要

この展覧会は、令和という新しい世になったことを寿ぎ、宮内庁三の丸尚蔵館に所蔵されている作品、主に皇室関係の逸品を公開するものです。東京以外でまとまって見られる機会は今回が初めてだそうです。今回の改元に際し、過去の即位に関わる物品も見られ、時代の変わり目に立ち会えていることを幸運に感じました。

私は宮内庁三の丸尚蔵館にはまだ行ったことがありません。しかし、若冲の作品を多数所蔵しているので、絶対に行こうと思っている博物館です。東京にもなかなか行けないですし、この機会に見られるのは本当にありがたいと、ワクワクしながら久しぶりの”京博”に足を運びました。

お目当ては若冲!

お久しぶりの「動植綵絵」8幅とまだ見れていない「旭日鳳凰図」は絶対見ようと思っています。

しかし、行ったのは前期。旭日鳳凰図は後期展示です。他にも後期には結構見ごたえある作品が多いような気がします。なので、さっそく後期も行かないとなあ…と贅沢な悩みが出てきてしまいました。(上の出品リストをご参照ください)

「動植綵絵」 新しい見方をしてみる

「動植綵絵」、京都におかえりなさい!前後期で4幅ずつの公開です。

展覧会に行くちょっと前、人間ドックの待ち時間のことです。開幕前日でNHKのカメラが入って展示を紹介しているとき、ちょうど動植綵絵や応挙の牡丹孔雀図を紹介していたので、フライングした気分でした。しかし、目の前で見ることができて素直に嬉しかったです。

その中の「薔薇小禽図」は30幅の中でもなんとなく自分が納得いってない感じがあって、繰り返し見ていました。 描かれた薔薇自体が西洋画と異なり、非常に平面的なのが違和感があるのは自分でもわかるのですが、その他の花との組み合わせも何か気にいらないというか…こんな風に非常に歯切れの悪い説明になって、まだまだ若冲の意図をくみ取れてないんだなと反省しました。
好きな作品を穴が開くほど見ることは簡単だと思います。でも、あえて気に入らない作品がどこが嫌で違和感があるのか見ていくのも面白いですね。こういうことは他の展覧会でもやってみようと思います。

「近世絵画百花繚乱」のコーナーは見過ごすべからず

先ほどの若冲作品もこのコーナーに含まれます。若冲以外もまあ豪華共演で、思わず会場を行ったり来たりして目に焼き付けました。しかもほぼ前後期で展示替えしてしまうので、見たい作品を作品リストでチェックしてから早めに予約するのが吉です!

●海北友松「浜松図屏風」
6曲1双のゆったりとした浜辺の様子に千鳥が群れ飛ぶ図柄。海北友松といえば龍図のような水墨の激しいタッチの作品が思い浮かびますが、こういったやまと絵題材の屏風も残しており、大きな画面での構成は画家の力量を感じさせます。ちょっと浮世離れしたゆったり感じがとても好きです。

●狩野探幽「源氏物語図屏風」
こちらも大御所!探幽の描くやまと絵の屏風もめったに見ないですね。源氏物語の各場面が屏風全体にちりばめられて、優美な世界がありました。表具の枠?のところが葵の御紋と桃?宝珠?のワッペンのようなものが張り付いていて、枠?まで豪華でした。おそらく嫁入り道具だったのでは?

●円山応挙「群獣図屏風」
コの字型の展示室の奥にバーンとありました。存在感抜群でした。いろんな動物たちが描かれていて、見ていて飽きない作品。お馴染みのモフモフの犬もいましたよ♪

絵巻も見所多し

前半の展示、絵巻のコーナーも見ごたえがありました。時間区切りで入った人が列をなして溜まりがちなので、ゆっくり見たい方は先に他の部分を見て戻る形がいいと思います。

前期では「蒙古襲来絵詞」の教科書に載る有名シーン(てつはうが放たれる場面)が出ており、テンション上がりました。そこばかりでなく、周りに沢山描かれるモンゴル人の様子もしげしげと見ることができました。服装が今のモンゴルの伝統衣装そのままに見えたので、やはり見てきたものを忠実に再現しようと頑張ったんだな等と思いながら拝見しました。

また、久しぶりに見た「春日権現験記絵」も良かったです。中世絵巻の基準ともなる作品、いつ見ても人物の描線ややまと絵表現がキレキレで無駄なく美しいです。線がきれいというのは絵師の技量の高さを物語る目安だと私は考えています。鑑賞者としても基本に立ち返らせてくれる作品でした。

あと、これまた久々の岩佐又兵衛作品、「小栗判官絵巻」。実際に見た記憶が残っていないのですが、ちょっとグロテスクな感じもある鮮やかな絵巻に目を奪われました。人物表現が特徴的なのでグロテスクに見えるだけかもしれません…久々すぎてわからなくなってきました…

※紹介した絵巻3作品は巻替えで後期も展示されます。

皇室=雅、和だけではない

三の丸尚蔵館の所蔵品=御物というわけではありませんが、何らかのゆかりがあるものでしょう。今回の展示の章立ての中に「唐絵へのあこがれ」「漢に学び和をうみだす」という小項目がありました。スルーしがちですが、これは皇室の品々だけでなく日本文化が歩んできた道だと改めて思いなおしました。

いま、世間一般にいう皇室からくるイメージは雅、宮廷文化、和風、古典的、伝統的なものが強いです。しかし、それは長い歴史の中で最先端の異文化を取り入れながら醸成されてきたものの結晶です。または明治以降のイメージ戦略で植え付けられたものかもしれません。そんな中で、今回、大陸文化の作品群や和漢の考え方が共存する作品群がまとまって展示してあるのは、個人的には意味のあることだと思いました。

後期も楽しみです

後期も行くかは未定ですが、行けるなら行きたい所存です!何せ近世屏風のコーナーがほぼ総入れ替えですから!行けなくても、今回書の作品など語りつくせていない部分もあるので、それについてまた書くかもしれません。
何度も言いますが、行かれる予定の方はぜひ出品リストをしっかりチェックしてお見逃しのないよう予約してください。