【美術館HP】https://www.aham.jp/
【公式HP】 http://m-caravaggio.jp/
【会期】2/16(日)まで
展覧会の概観
2020年1発目はカラヴァッジョ展から。とても楽しみにしていました!
一昨年、夫婦でイタリア旅行にいったとき、るるぶのガイドブックにカラヴァッジョの作品巡りの特集がありました。その時にすごく惹かれてましたが、時間が足りなかった…現地では見られませんでした。
現地で実物を見るのが私の理想ですが、せっかく日本に来てくれるのだから見ない手はない!
しかし、最初の札幌展の時点で作品が届かないまま終了したり、不穏な感じでした。大阪展では「 ホロフェルネスの首を斬るユディト」「 瞑想するアッシジの聖フランチェスコ 」がイタリア側の手続きの問題で来ないことに…それでチラシのコピーが「赦したまえ。」か??夫と「さすがイタリア・クオリティ!」と皮肉を込めて言ってしまいました。
ともあれ、10点(?付の作品を含む)も作品が揃うのは貴重な機会です。
大阪展のみ展示
《執筆する聖ヒエロニムス》
《悲嘆に暮れるマグダラのマリア》
カラヴァッジョ周辺の作品も見応え充分でした。コラムヤマザキマリ先生のカラヴァッジョに扮したコメントやわかりやすいカラヴァッジョ周辺画家のキャプションが読みやすかったので、理解が進みました。他にもコラム等読み物が多めだったのですが、展示が40数点と多くなかったので、文字を追っていても辛くなかったです。
あと、イタリア全土に散らばる彼の作品の紹介パネル…写真撮りたかった…まだまだ見ていない作品が多いことよ!これはまたイタリア行かなあかんやつ!!
カラヴァッジョという画家について
彼の人生はイタリア全土を横断します。
若いときはミラノで修行、画業が認められローマで引っ張りだこ。でも素行が悪くてすぐ喧嘩したり、やっかみをかって訴えられたり…それでも庇護者がいたり、やはり天才的な画業は 常に評価されていたという印象です。
終いには乱闘で殺人を犯してしまい(過失致死?)ローマを逃げ出してしまいます。南へと向かい、ナポリでも他の画家に大きな影響を与えます。またナポリでも乱闘騒ぎを起こし、今度はカラヴァッジョが刺されるいう事態に。
その翌年、恩赦を請いにローマで向かう途中、熱病にかかり38歳で亡くなってしまうという壮絶人生でした。太く短いながら、残したものは大きかったのだな、と今回の展示では感じさせます。
特徴
それは生々しいほどの写実的表現・光と影(闇)のコントラスト。
これはもはや劇画です。鑑賞者を物語へグッと引き込む力があります。宗教画であれば、自分事として鑑賞者が引き込まれるように意図して描いているように思えます。ハルカス美術館の上席学芸員の方のコラムに、「聖女を描いていても、そのモデルは娼婦だったりする。聖と俗が表裏一体となって、そのはざ間で「生」を表現していた」というような文言があり、カラヴァッジョのおもしろさを感じました。
はっとするような写実表現の素地は、最初の方で展示されていた果物などの静物画を描いていた若い頃に鍛えられたのかな?と私は想像しています。
印象的な作品
《法悦のマグダラのマリア》
法悦(ほうえつ)とは「 仏の道を聞いて起こる、この上ない喜び。転じて一般に、うっとりするような喜び。エクスタシー。」とgoogleでは出てきますが、私は信仰心によってもたらされる最上級の喜び、それによって精神的に満たされた状態と解釈しています。この状態が宗教心があるのかないのか微妙な日本人にはわかりにくい、そしてのめりこみ方が新興宗教的で表情もちょっと怖いなと正直思ってしまいました。 見てるうちに性的表現とも感じてしまったりして、余計に怖かったり…違和感が拭い去れません。
「何かが違う?? この感じを言語化するとしたら…」
それは出産直後の自分の姿ではないかと。
まあ自分が約半年前に出産したばかりと言うのもあるのですが。 脱力したマグダラのマリアと十数時間の陣痛に耐えズタボロになった自分の身体を重ねました。生まれたてのわが子を胸に抱いたとき、自然と涙があふれてきました。 彼女と同じ、精神的にはこの上ない喜びと安堵に満たされていました。それが「生きている」実感、「生きる」ということでは? 自分の勝手な解釈ですが、そんな姿に感じられたのです。
最後に
彼は人生も作品も、光と闇、聖と俗を行き来しながら、「生」を表現し続けた画家だと思います。それが今回の私の個人解釈につながりました。それだけでも行ってよかったと思います。
今回、画家についての「評伝」が面白いなと感じました。会場にもタペストリーでその文言の一部が展示されていました。カラヴァッジョはいろんな悪評がありますが、画業が順調なことへの妬みから書かれている部分も多いようです。一方で率直に評価されていたり。書く人物の立ち位置によって評価も変わってくるところが興味をひきますね。
あとはもう「イタリアに行きたい!!!」 これだけです。
